プロダクト開発に活用している道具たちをまとめていく。
ぼくがこれまでに関わってきたプロダクト開発の現場で見つけた、ディスカッションと認識合わせを加速してくれる便利なフレーズたち。
「プロダクトが提供する価値」を、ユーザを主語にした体験で語ったもの。
提供するオンラインストレージが「容量無制限」を価値としているのならば、ユーザとして「容量を気にしなくてよい」「ずっと昔のファイルに、今もアクセスできる」といったうれしさで言い換える。
「この機能によって、ユーザはどんないい思いをするの?」のように使う。
ユーザがプロダクトを使用するとき、なにかしらの設定や操作を経て、いい思いに至る。そこまでに要する時間を「TTI」と呼ぶ。
「この新機能のTTIはどれくらいだろう?」のように会話の中で使う。ユーザが、ついにいい思いをすることがなければTTIは無限となる。ユーザが許容できる範囲までTTIを縮めることができなければ、ユーザはプロダクトから離れてしまうだろう。また、TTIが長ければ長くなるほど、いい思いは減衰してしまう傾向もある。
ちなみにこれは、Facebookがウェプサイトの「速さ」の指標としている「TTI (Time-to-Interact)」のオマージュである。
プロダクトは、ユーザからなにかを提供してもらって、代わりになにかを提供する。その結果として、ユーザに「得だ」と感じてもらえれば、定着につながるだろう。
たとえば「500円を入れたら1000円が出てくるマシン」を設置すれば、ユーザは喜んで使ってくれるはずだ。ただ、こんなプロダクトを提供したい人はいない。
筋がいいのは、ユーザが持て余しているものをもらって、ユーザに足りていないものを返すやり方だ。だから、ユーザがなにを持て余していて、逆になにが足りていないのかを正しく把握することが大切になる。どれだけおいしい料理も、満腹の人には食べてもらえない。
特にユーザが「時間が足りなくて困っているのか」「ヒマを潰したいと思っているのか」を見極めることは大事。自分たちの提供するプロダクトは、業務を効率化するツールとして使われるのか、長いこと遊べるゲームになるのか、より日々を豊かにするためのラグジュアリィなのか、意識しておいた方がよい。
参照: Time Rich or Time Poor? | Lightspeed Venture Partners Blog
1位はやっぱりうれしい。それがたとえ、全体ランキングではなくて部門別ランキングであったとしても、だ。だから大事なのは「クラスでいちばんかわいい子」が存在することで、それを「世界ランキングでは24,917位です」というのは野暮なことだし、もはや認知の限界を越える情報を与えても意味がない。
各ユーザから見える範囲のグローカルを守っていくことが大事。各ユーザにとっては、見えているものがすべてであり、世界である。その世界で意味を成す情報を提示すべき。
参照: GitHub Awards : Discover your ranking on GitHub (地域ごとの順位が出る例)
なにかしらの取り組みの結果として、対象者から「こういう発言があったら成功」「こういうツイートをしてもらえたら成功」と、目標として設定される望ましい台詞のこと。